法廷画家に資格は必要ない

日本では刑事訴訟規則第215条および民事訴訟規則第77条により、裁判中には裁判長の許可を得ないで、法廷内の様子を写真にとることはできません。そのため、法廷内の様子は、法廷画家の描く法廷画で伝えられることになります。被告を中心に描かれることが多いですが、ただ被告の似顔絵を描くというのではありません。裁判がどのような雰囲気で行われているかなど、場面の空気が伝わる絵を、限られた時間内に臨場感を持って描くことが求められます。絵を描く場所が用意されているわけではないので、一般の傍聴席に座りながら、狭いスペースで描かなければなりません。法廷画家になるためには、特に資格のようなものは必要ありません。実際に法廷画家として活躍しているのは、フリーランスのイラストレーターや漫画家か、新聞社やテレビ局などに所属する美術畑の社員などです。報道のためのビジュアルが必要な裁判の数がそんなに多くはないので、法廷画家だけで生計がたてられるような収入は見込めません。何らかの画業の一つとして、行われているわけです。絵を生業としている人が、法廷画家になるために必要なスキルは、観察力と画力に加えて、限られたスペースでスピーディに描きあげる力ということです。

法廷画家の守るルール、特別扱いはされません

法廷画家とされる人たちの多くは、イラストレーターや漫画家など絵を描く職業の人とテレビや新聞などのメディア関係の美術スタッフに分けられます。
日本では法律(刑事訴訟規則第215条及び民事訴訟規則第77条)により、法廷内の写真を撮ることが禁じられています。テレビのニュースなどで流れる映像は裁判前の数分間に撮られた映像です。
法廷画家は法廷の様子をカメラ映像の代わりに人々に知らせる大切な仕事です。
しかし、法廷画家が特別に傍聴席に入れるわけではありません。他の傍聴人たちと同じように抽選をし、傍聴券に当選しなければ入ることは出来ないのです。
絵を描くにあたっての注意点として、単なる似顔絵ではすまされないことです。
社会規範に反した行いをした人間を裁く場所ですから、いい加減なスケッチでは済みません。特に有名な事件の公判はそれ相応の注目を集めます。
限られた時間内で被告人の表情や法廷の臨場感までも写し取る技量が必要になってきます。極悪人だからと言って、主観を交えては事件の本当の姿も正確に伝えることは出来ないでしょう。
法廷画家は視聴者の代表としてそこに座り、カメラで撮れなかった公判の様子を絵に通して伝えるいう使命を持っているとも言えるのです。

法廷画家の需要は?1枚当たりいくら?

日本では刑事訴訟規則第215条及び民事訴訟規則第77条により、裁判の模様を映像や写真で撮ることは原則として禁止されています。テレビなどのニュースで裁判官等が映っているのは、「あたまどり」と言われ、被告人や裁判員等が入廷する二分間の間(最高裁判所では三分間)に特別に映されたものです。
そこで必要になってくるのが、法廷画家と呼ばれる人達です。彼らの本業はイラストレーターや漫画家などで、法廷画家だけで暮らしているわけではありません。
法廷画家という職業はそもそもなく、またなるための試験等もありません。そのため、テレビ局や新聞社の美術スタッフが法廷画家の役割をしていると言う場合もあります。
ただ、誰でも出来るというわけではなく、相応の技術と作画スピードは必要です。
一回の公判で10枚程度描くわけですが、だいたい一枚に要する時間は5~10分です。席が用意されているわけではなく、自分で取らなければならないため、良い席が確保できるとも限りません。被告人の表情が見えない位置の場合もある中、限られた時間内で、どこまで正確に視聴者に伝えられるかが勝負になってきます。
大変、難しい仕事ですので、法廷画家の需要はますます増えていくことでしょう。
ただ、一枚の値段は15000円くらいから、20000円くらいが相場ですので、労力と見合わないのは確かです。

意外とラフに描かれる法廷画

法廷画を描く人ですが、必ずしもプロの画家とは限りません。勿論、プロも描いていますが、テレビ局や新聞社に勤める素人も描くことがあるのです。なぜ彼らは法廷画を任されるのかというと、描くのが速いからです。
法廷画を描く人は、テレビ局などメディアの人と打ち合わせをしてから法廷に入ります。必ずしも、描く人が住んでいる地域で裁判が行われるわけではないので、住んでいるところよりも遠くで行われる場合は、前日に行って一泊するということも珍しくありません。そして、裁判を傍聴した後に描き上げます。
裁判のニュースは、裁判が行われた当日の夕方以降に流されることが多く、法廷画もそこで使われることになります。法廷画が出来たら、そこにテロップやナレーションをつける作業をしなければならないので、テレビで流されるよりももっと前にテレビ局になければなりません。なので、速く描ける人ではないと務まらないのです。
法廷画自体の描き方も、基本的には精密さを重視するのではなく、被告の特徴だけを伝えて後はラフに仕上げるというものがほとんどです。なので、デッサンに近いような描き方になります。背景はまったくないか、あるいは裁判官の姿がラフに描かれているという感じになります。

裁判所はどんな画材を持ち込んでも大丈夫

法廷画家は仕事を依頼されたら、時間をかけずに絵を描く必要があります。その理由は描いたものは当日のニュースに使用できるので裁判を見た後にゆっくりと描いていては間に合わないからです。裁判所にペンなどを持ち込んでも問題はありません。基本的にメモを取ったり絵を描くことは禁止されていないからです。また、裁判所に入る時は空港の搭乗前のように金属探知機でチェックされるということもないので、使用するペンの制限もありません。手荷物検査のある裁判所というのもそれほど多くはありませんのでスケッチブックなどの大きな持ち物を持って行っても何も言われないことがほとんどです。一般的に法廷画家や記者は目的が明確ということもあまり制限されない理由にあります。しかし、万一検査がある場合だとすると、ナイフのような凶器になるような危険なものを持ってきていないかどうかをチェックしますのでそれ以外の無害なものに関してはあまりうるさく規制はされていません。用途がはっきりしているので絵を描く為の物に関しては特に何か制限を設けられているというわけではありませんので、どのようなものを持っていっても誤解を受けないようなものであれば大丈夫です。

人気事件でも優先的に傍聴できるわけではない

法廷画家という単独の仕事だけを職業としている人はほとんどいません。主に活動しているのはイラストレーターや漫画家など、絵を描く仕事に携わっている人、あるいはテレビや新聞社などのメディア関係で働いている美術系のスタッフです。
彼らは特別に法廷内に入ることを許されているわけではなく、一般の傍聴人と同様の方法で傍聴券の抽選を経て、入廷を許可されています。当然、抽選に外れれば法廷内に入ることは出来ないため、法廷画を描くことも出来ません。なので、たいていはメディア関係の人間が大勢並んだり、「並び屋」と呼ばれる、くじを抽選するだけのために雇った人たちに頼ることになります。
また、晴れて傍聴券を手に出来ても、被告人の顔が良く見える場所が法廷画家用に確保されているわけではありません。席は基本、早い者勝ちなので、良い席がなくなると必然的に被告人の頭の後ろしか見えないというケースも出てきます。
被告人は傍聴席を背に裁判官の方を向いているため、実際は顔を見ることは難しく、一瞬を捉えて描く必要があります。例えば、被告人が法廷に入ってきてから、着席するまでの15秒程度が勝負だったりもします。
どちらにしても、時間内にその場の雰囲気や臨場感を映像に負けない画力で表す必要があり、速写力以上に描写力が試されます。猫07

法廷画が普及した背景は?

国内のテレビの歴史の中で、一般的な裁判の模様が中継されたことはありません。これは法律で裁判長の許可なく、撮影してはいけないと決まっているからです。裁判長は被告が法廷に入ってくる前の様子を撮影させる以外に、許可することはないので、テレビで裁判の様子を見られることはないのです。ただ、裁判は公開されるものなのだから、テレビで中継してもいいのではという意見もあります。実際、海外の大きな事件の裁判はテレビ中継される場合もあります。
では、なぜ日本では禁止されているのかというと、たとえば、証人などが証言する場合、カメラがあることで緊張してしまい、うまく証言できないといったことが考えられるからです。勿論、法廷内では傍聴者に見られているわけですが、人に直接見られるのと、カメラを向けられるのとでは心持ちが違うという人も当然居るわけです。加害者が未成年だったり、被害者が出廷する場合など、当然、プライバシーの問題もあります。
そこで、日本のテレビ局は法廷画を用いて、裁判での被告は様子を伝えるようにしています。
法廷画の歴史ですが、由来と言えるほど古いものはなく、テレビカメラや普通のカメラで撮影できないのであれば、絵で描こうということで自然発生的に始まったものと言えます。猫08

法廷画家は普段はどんな仕事をしているの?

刑事訴訟規則第215条及び、民事訴訟規則第77条により、日本では裁判中に法廷内で写真を撮ることが禁じられています。テレビなどで流される部分は、被告人や裁判員らが入廷する前のあたまどり撮影です。
被告人が入廷してから退廷するまでは映像を撮ることができませんので、絵で説明するのが法廷画家です。
しかし、実際は法廷画家という職業はありません。たいていは、イラストレーターか画家が兼業で行っています。他に、新聞社やテレビ局の美術スタッフも法廷画を描きます。ただし、映像の代わりにその場の雰囲気や被告人の細かい様子などを短時間のうちに描かなければならないので、速写など、ある程度の技術が必要になってきます。
普段から社会的道義心があり、義務感の強い人に向いている仕事だと思います。
ただ、見えない苦労もあります。傍聴席は用意されているわけではないので、自分で並んで当選しなければなりません。また、その席が良い席とは限らず、被告人の背中しか見えず、せっかくの表情がわからないときもあります。そんな中、一枚にかける時間は5分から10分くらいで、およそ、10枚ほどしか描けません。それらの中から、テレビ局の担当者が選んだものを着色し、テレビ放映に間に合うように短期間で仕上げるのです。猫06

裁判はカメラで撮影できないの?

日本では、裁判中に法定内の写真を撮影することは法律で禁じられています。例外的に、裁判長の許可があれば写真を撮ることができますが、実際に許可が下りることはまずありません。テレビなどで流れる映像は、被告や裁判員が入場する前に、冒頭2分間だけ撮影が許可されたもので、ほとんどの場合裁判官が映されています。このため、実際の裁判の様子を伝えるために、写真代わりのイラストが描かれます。このイラストのことを法廷画といいます。法廷画を描く人は法廷画家と呼ばれ、その多くはイラストレーターや漫画家ですが、法廷画家になるために必要な資格は特になく、場合によっては各メディアのスタッフが描くこともあります。新聞やテレビのニュースなど報道に使われることが多いため、素早く仕上げなければなりません。また、カメラで撮影する代用として用いられるものですから、写実的なイラストを描くための画力も求められます。傍聴席で裁判を傍聴しながらスケッチをすることになりますが、関心の高い裁判の場合は抽選券が配布されます。傍聴席は自由に取れるため、被告人がよく見える位置取りをすることも重要です。その報酬は1枚につき1万5000~2万円程度だといいます。猫05

法廷画家、その職業に就くには?

テレビのニュースで大事件の裁判の様子が報道される事があります。こうした時、被告や裁判官の映像や写真が出ることはありません。似顔絵とも違った独特の絵が放映されていることは誰でも知っているでしょう。こうした絵を専門に描く人を法廷画家と呼びます。
日本の場合は外国と違って裁判中の写真撮影、動画撮影は裁判官の許可がない限りできません。事実上裁判官は撮影許可を出しませんから一切写真は撮れないことになっているのです。裁判が始まる直前に裁判官が着席した場面のみ撮影が許されていますが、被告が入廷してからは撮影できません。しかし被告は逮捕時と様子が違っているでしょうし、裁判中にそのような様子であるかという事は誰もが最も興味を抱くことです。その為にテレビや新聞、雑誌社はその様子を絵で再現できる画家に傍聴人として裁判を見学させて絵を描いてもらう訳です。法廷画家は各媒体社員と言うわけではなく、画家がアルバイト的に依頼を受けているうちに専属となるケースがほとんどと言われています。従って美術専門学校等で絵を勉強するのはもちろんですが、マスコミ関係のコネも大変重要だと言えます。法廷画家募集等という求人はあり得ないからです。猫04