弁護士なしで行う裁判はあり?

刑事裁判の場合、被告人は弁護士をつけないと裁判に臨むことが出来ないので、もし弁護士の心当たりがない、あるいは雇うお金がないという場合は、国選弁護人がつくことになっています。
では、民事裁判ではどうかというと、被告は必ずしも弁護士をつける必要はありません。なので、被告本人が出廷して訴えられたことに対して説明をすることも可能です。勿論、弁護士に代理人として出廷してもらうことも出来ます。逆に原告はどうかというと、民事では検事が出てくることはないので、やはり原告本人が出廷するか、あるいは代理人が出ることになります。
なので、被告、原告共に本人は出廷せず、代理人同士が話す裁判もありますし、本人同士が出廷する裁判もあります。
被告が弁護士を代理人にするケースですが、民事裁判の場合、原告が訴えを起こした裁判所に被告が出向かないといけないので、原告が北海道、被告が沖縄に住んでいたとしたら、被告が沖縄から北海道まで行って出廷しないといけないということもあります。被告は債務者が、原告からお金を借りていて返済するお金がないという場合、当然、北海道までの旅費も出せない可能性が高いので、代理人を雇って出廷してもらった方が安くつくと判断した場合などが該当します。

支払猶予等の制度について

犬05日本では憲法で裁判を受ける権利が規定されています。その一方で、民事裁判では、裁判所に直接納めなければならない費用が存在し、弁護士をたてた場合は弁護士への報酬の支払いも発生します。この費用は決して安いものではなく、お金や財産をあまり持っていない人にとっては訴訟を提起する際に大きなハードルとなります。しかし、民事訴訟法などで規定されている支払猶予等の制度を利用することができれば、訴訟費用の負担を軽減させることが可能です。
支払猶予等の制度には大きく2つあります。1つは「訴訟上の救助」と呼ばれるもので、提訴した内容が勝訴の見込みがないとはいえないものであり、なおかつ提訴した者に訴訟費用を用意するだけの資力がないか、裁判費用の出費によりその後の生活に支障が生じる可能性があると裁判所が判断した場合に、裁判費用の支払いの猶予や、訴訟費用の担保の免除が決定されます。
ただし、この訴訟上の救助では、裁判所が付添いを命じた弁護士に対して支払う費用の猶予は受けられますが、自分で用意した弁護士の報酬の支払いまで猶予してもらうことはできません。もし、自らたてた弁護士に対する報酬支払いの猶予を受けたい場合は、もう1つの制度である「民事法律扶助による立替制度」を利用する必要があります。この制度は法務省が所管する法人が運営しており、所定の手続きをふむことで弁護士費用の立て替え払いが実施されます。援助を受けた人は毎月一定額ずつ法人に返済していく必要がありますが、利子が上乗せされることはありません。

民事裁判の費用相場はどれぐらい?

民事裁判の費用相場はいくらぐらいかかるのか、と聞かれると答えは簡単です。訴訟の種類とその取り扱う案件の賠償額、支払額によります。これが答えです。つまり、簡単に言うと訴訟にかかる費用というのは、イコール弁護士に支払う費用という見方ができます。ウェートをもっとも多く占めるのが弁護士への報酬料だからです。わかりやすい例を挙げると、最近テレビやラジオ、インターネットなどで消費者金融への過払い金を取り戻す、という過払い金請求のコマーシャルをよく耳にしませんか。これらの内訳を見てみると多くの弁護士事務所が取り戻したお金から必要経費等を差し引き、歩合による報酬制をとっています。民事裁判というものの殆どが土地やお金、相続、離婚、認知など何かしらお金が絡んでくるものが多いので、自ずとこのような報酬制をとることが慣例となっているのです。弁護士事務所の取扱い実績や格付け、人気などにもよりますが、土地の相続や財産分与などで闘争した場合、入手した金額の約10パーセント程度が弁護士への報酬だとされています。あとは法廷への交通費や裁判が長期化することによって発生する自身の土地や会社などの業務関係への影響費用などです。

訴訟以外の手続きの方法

犬04訴訟以外の手続きの方法には、以下のような物があります。
一つ目は、「調停」。
当事者同士が裁判所に出向き、話し合いを行います。
ただし、調停委員が間に入るので、相手と直接顔を合わせることはありません。
「話し合いが決着した」もしくは「話し合いが決着する見込みがない」という状態になるまで行われます。
話し合いが決着しない場合は、訴訟を検討することになります。
二つ目は、「民事執行手続き」。
相手が判決などを無視した場合に、財産の差し押さえなどを行います。
どのくらいの期間がかかるのかはケースバイケースで、銀行預金の差し押さえ程度であれば数日で済みますが、不動産の競売だと1年以上かかることもあります。
三つ目は、「労働審判手続き」。
給料の未払いなど、労使間の争い事を解決します。
裁判官と労働審判委員会(民間人二人)が仲介し、双方の言い分を聞いて行きます。
話し合いがつかなければ、異議申し立てをすることで訴訟に移ることもできます。
四つ目は、「破産手続き」。
どうやっても借金を返せないという場合に行われます。
財産をすべて処分する代わりに借金の返済義務をなくすことができますが、「支払うことが不可能」という状態でないと認められません。

少額訴訟とは

少額訴訟は、60万円以下の請求をする場合に起こせる訴訟のことです。1日で審理を終え、判決が下されます。原則として被告の住所のある地域の簡易裁判所に訴えを起こすことになり、訴状が受け付けてもらえると裁判の期日が決まります。その後、裁判所から原告被告双方に各書類が送付されます。審理は1日ですので、期日までに証拠や証人を集めなければいけません。裁判の途中で和解することも可能です。原告の訴えが認められた場合、請求金額のほか、訴訟費用も被告に請求することが出来ます。ただし請求金額は必ずしも全額が認められるわけではなく、裁判官の判断によって、一部が認められるという場合があります。また、分割払いや支払猶予などといった判決になることもあります。少額訴訟にかかる費用は印紙手数料と切手代で、印紙手数料は請求額の1割、切手代は4~5千円です。原告側の請求が7割認められた場合、訴訟費用の7割を被告が負担、3割を原告が負担することになります。判決に納得が行かない場合、原告被告双方とも、異議申し立てをすることが可能で、以後は通常訴訟に移行して争われます。この通常訴訟で出た判決については、地方裁判所に控訴することはできません。また、裁判当時に被告側が出廷せず、答弁書も提出しない場合は、原告の勝訴となります。一年で同じ裁判所に起こせる少額訴訟は10回までと定められています。

手形小切手訴訟とは

犬03手形小切手訴訟は現在の裁判所で認められている訴訟の一種であり、その名の通り手形・小切手を専門として扱うものとなっています。
通常こうした訴訟に関しては事実関係の確認から相互の責任関係など細部に至るまで確認が行われるため結論がでるまでの時間が長くなりやすいのですが、手形小切手訴訟においては目的を限定することによって手続きを効率化し、結論がでるまでの時間を大きく削減しています。
具体的に通常の訴訟との違いとして挙げられるのは「最初の口頭弁論期日で心理を完了することを原則とする」、「証拠は書証のみに限定され、文書の成立の真否および手形・小切手に関する事実について当事者本人への尋問が許される」、「請求が許容される場合の手形・小切手には仮執行の宣言が付される」、「不服申し立てについては異議申し立てのみが許される」といったような違いが挙げられるでしょう。
請求金額140万円までは簡易裁判所、それ以上は地方裁判所というように金額によって管轄裁判所が変わることも特徴となります。
ちなみに手形小切手に関する訴訟をするから絶対に手形小切手訴訟をしなくてはならないというわけではなく通常の訴訟を方法として選ぶこともできるため、手形小切手訴訟を考える際にはそのメリットやデメリットをしっかり判断することが重要になるでしょう。

通常訴訟とは

通常訴訟とは民事裁判の原則にのっとった財産に関する訴訟のことです。請求金額が140万円以下だと簡易裁判所、140万円以上だと地方裁判所で行われます。その手続きとして、訴状、申し立て手数料、郵便切手、添付書類を裁判所に提出します。訴状は裁判所に所定の用紙があるほかウェブサイトからダウンロードもできます。申し立て手数料は収入印紙で支払います。添付書類は、証拠書類の写しや訴える相手の人数分の訴状副本などです。通常訴訟にかかる手数料は請求金額によって変ります。それに郵便切手代をあわせた額が訴訟費用となりますが、原告が法人のときには登記事項証明書、未成年のときには戸籍謄本が必要になるため、それらの発行費用もかかります。
民事裁判は書類のやりとりで行われます。原告側の訴状の陳述、被告側の答弁書の陳述といった形で進んでいき、事前に裁判官が書類を読んでいるために読み上げず受け取るだけになります。つまり、提出する書類で裁判の行方が決まり、いかに自身の主張を裏づける証拠書類を提出できるかが勝訴の鍵になってきます。裁判前の充分な書類の準備が大切です。裁判は1ヶ月に1回のペースで開かれ、開廷の1週間前までに必要な書類を提出しなければなりません。

訴えられた場合に知っておきたい知識

犬02民事裁判を起こすことはそれほど難しいことではありません。なので、原告の性格によっては、ちょっとした生活トラブルを発端として訴えられてしまう場合があります。また、お金の貸し借りも、よく裁判になるトラブルです。
では、もし訴えられた場合はどのように対処すればいいのでしょうか。訴えられた場合の流れですが、まず、裁判所から書類が届きます。それを見れば、誰にどのような内容で訴えられたのかということがわかるので必ず確認しておきましょう。もし、原告の名前や訴えられた内容についてまったく心当たりがなかったとしても、そのまま無視してはいけません。というのは、たとえば原告が実際にはお金を貸していないのに、貸したのに返してくれないという裁判を起こした場合、被告が無視して裁判に欠席してしまうと、原告の訴えがすべて認められてしまうからです。書類に答弁書というものがあるので、そこに訴えられた内容はでたらめであると記載して裁判所に送りましょう。
内容について覚えがある場合も、答弁書を書いて送っておくといいでしょう。そうすれば、なんらかの理由で裁判に出席できなかった場合も、答弁書の内容で説明や反論をすることが出来るからです。

民事裁判手続きの流れと手順とは

民事裁判の流れと手続きは、以下のとおりです。
まず、訴えるための準備として、証拠集めなどを行います。
次に、裁判所に訴状を出します。
この段階では、形式的な確認だけが行われます。
確認が済めば、第1回の期日が指定されます。
基本的に原告の都合のよい日を選べますが、弁護士だけが行くことが多くなっています。
次は、被告に訴状が送られます。
訴状を受け取った被告は、第1回の期日が到来するまでに答弁書を出す必要があります。
第1回の期日では、口頭弁論が行われます。
原告が訴状を、被告が答弁書をそれぞれ読み上げますが、実際に全文を読み上げることはまずなく、「訴状を陳述します」と告げることで読み上げたと見なされます。
その後、期日を何度か設けて、争うべきポイントを明確にしていきます。
それぞれが準備書面を用意して、主張をぶつけ合います。
書面による証拠が出尽くしたら、「証人尋問」と「本人尋問」に移ります。
前者は原告と被告以外の第三者に対する尋問で、後者は原告と被告に対する尋問です。
尋問が済めば、いよいよ判決が下されます。
これは法廷で行われますが、その内容は判決書で知ることができるので、当事者が直接出向くことはあまりありません。

民事裁判の仕組み

犬01民事裁判を行う為には訴訟を起こす必要があり、具体的には訴状を裁判所に提出します。訴状が裁判所に提出されると、裁判所は形式面の確認を行います。その後はまず、訴えた原告側の都合を踏まえて第1回目の期日を決めます。弁護士に依頼した場合は、原告本人が出席しなくても構いません。原告が提出した訴状を被告が受け取る事で訴訟がスタートしますが、被告が訴状を受け取らなかった場合や受け取りが難しい状況であった場合でも、判決を得る事は可能です。訴訟を起こされた側である被告は、第1回期日より前に答弁書を提出します。この第1回期日に欠席してしまうと、欠席裁判により敗訴してしまう場合があります。第1回口頭弁論では、原告が訴状を陳述してから被告が答弁書を陳述し、次の弁論準備に入ります。争点が絞られ、必要な書証が提出されて、はじめて証人尋問と本人尋問が行われます。尋問の終了後、自分の主張を述べるために、最終準備書面を提出する事もできます。全ての過程が済めば、判決が言い渡されます。判決に不服であった場合、判決を受け取ってから2週間以内に控訴が可能です。なお、民事裁判では当事者双方の合意があれば、いつでも和解する事ができます。双方が納得できる何らかの解決があれば、訴訟上の和解と見なされ訴訟は終了します。